「正義のヒーロー」を小説化してみる

久々に、うごメモ作品から小説を作っている。
とりあえず作っているところまで公開。

とある海辺で、カツアゲが行われていた。

「ケッ、馬鹿が、最初から大人しく金を渡してりゃ
 痛い目見ずに済んだのによ!」

少年はこの時、町の不良に痛めつけられた挙句、財布を取られた。
彼は、1人ぼうっと考えていた。

『どうしてあんな悪い奴があんなにでかい顔して…
 テレビでよく観る正義のヒーローが本当にいればなあ…
 いっそのこと、僕が正義のヒーローなら、
 絶対にあんな奴、やっつけてやるのに…
 でも、そんな事できっこないし…
 そもそもそんな事をしたら僕も犯罪者になるんだ…
 …くやしいよう…やられっぱなしなんて…』

そんな事を考えながら、彼はいつの間にか眠ってしまった。
そんな彼の心の中に、1匹のポケモンが語りかけてきた。
長い髪に赤い体。バシャーモだ。

”人間とは不便なものだな。
 法に縛られて正義を振りかざすこともできないのだから…
 お前に俺の体を貸してやろう…
 お前の正義を思う存分証明してみるがいい…”

暫くして、彼は目を覚ました。
いつの間にか眠ってしまい、苦笑いをしている様子。

『僕、寝ちゃったんだ…?何だか変な夢を見たな…
 誰かが俺の体を貸してやるとか…
 正義を証明しろとか…?』

その時、彼は自分の手が目に入り、驚いた。
明らかに人間の手ではなかった。
まるで鳥の足のように指が3本に分かれ、
指先には鋭い爪が生えている。

『な、何だ!?手が…!?』

変化は手だけではなかった。頭には長い髪の毛。
体中は赤色に染まり、自分の体ではないことが明らかに分かる。
そう、彼は、バシャーモの姿になっていたのである。

『な、何だこれ?僕、どうなったの!?』

そんな彼の様子を、近くの岩陰から1人の少年が見ていた。
その少年の姿は、バシャーモになった少年が変化する前の姿だった。

”フフフ…俺の体になった気分はどうかな?
 あとはお前次第だ…”

どうやら、バシャーモが少年と体を交換したらしい。

そんなバシャーモの事を知らない彼は、
何やら考え事をしているようである。

『そうか…ポケモンから何をしたって罪にならない…
 それにどんな悪い奴も勝てっこない…
 僕、ヒーローになれるんだ!
 ようし…やってやる!!』

バシャーモになった少年は、張り切って町に向かって行った。
少年の姿になったバシャーモは、そんな様子を見ながら
1人、呟いていた。

”行ったか…さあ…思う存分ヒーロー気分を味わうがいい!
 すまないな…マナフィ…こんな事に協力させてしまって…”

バシャーモの傍には、青い体の小さなポケモンがいた。
マナフィである。

「ううん…お安い御用だよ!僕のハートスワップ
 ひと時の夢のために役立つなら…」

少年とバシャーモの体が入れ替わったのは、マナフィの技
「ハートスワップ」が原因だった。
バシャーモがマナフィに頼み、少年に自分の体を貸したのである。

町では、またさっきの不良が獲物を探していた。

「さーてっと…また獲物をとっ捕まえて金を戴くとするか」

そんな様子を見ていた少年は…

『あいつ、また性懲りも無く…!見てろ、絶対に許すもんか!』




海辺では、少年の体になったバシャーモ
その入れ替わりを起こしたマナフィが話し合っていた。

マナフィは、不安そうにバシャーモに訊ねた。

「ねえ…バシャーモ、本当によかったの?
 あの人間と入れ替わったりして…」


バシャーモは、答えた。

「まあかまわないだろう…あの人間は放っておけば
 あのまま泣き寝入りするだけだ…
 あのまま見捨てるのも気の毒だからな…
 助けてやってもいいと思ってな…」

町では、バシャーモの体になった少年が
不良の前に躍り出た。

『待て、悪者!お前の悪行の数々、許すわけにはいかない!』

不良は、突然の出来事に驚いていた。

「な、バシャーモが喋った!?何なんだお前は!?」

『僕は正義のバシャーモだ!覚悟しろ、悪者!!
 くらえ、でんこうせっか!!』

少年は、でんこうせっかを不良相手に繰り出した。
体が軽い…目にも留まらないスピードでその一撃をくらわせた。

「ぐわあっ!!」

そこにすかさず、次の技を繰り出す。

『スカイアッパー!!』

その一撃で、不良は一気に吹っ飛んだ。

『凄い力だ…こんな凄い技、ホントに僕が使ったんだ!
 ようし…とどめをさしてやる!』

少年の手や脚から、炎が噴出す。
その様子を見た不良は、怯えた様子で訴えた。

「ひ、ひいっ、やめてくれ…」

だが、少年の怒りは収まらず、ついに大技が炸裂した。

『ブレイズキック!!』

ゴオオオ…!!

灼熱の炎を纏った一撃が、不良を直撃した。
不良は全身から煙を出し、ぴくりとも動かなくなっていた。

『どうだ!思い知ったか!これに懲りたら
 もう二度と悪いことはするな!』

少年は不良の前から立ち去り、1人自分の力に酔いしれていた。

『凄い…僕がこんな力を使えるなんて…
 これならどんな悪い奴も怖くない…
 そうだ、このあたりは他にも不良がいる…
 ようし…そいつらをみんなやっつけてやる!』

彼はその後、町の不良たちを片っ端からやっつけていった。
次々と大技を披露し、派手に不良達を吹っ飛ばしていき
少年は今、本当のヒーローになったと実感していた。


↓原作